美容皮膚科と美容外科、転職するならどっち?【働き方を徹底比較】

美容皮膚科と美容外科、転職するならどっち?【働き方を徹底比較】

 医師で自由診療への転科を考える場合「美容皮膚科」と「美容外科」を比較する事が多いと思います。男性も女性も、最近は美容に対する意識が高まっています。また美容整形や美容皮膚科も施術を受けている事を前向きに話す社会的な空気感も増してきています。医学は病気を治療するばかりでなく、「美」を生み出す手段としても発展したのです。現在需要が高まっている「美容系クリニック」では自費診療が主体となるため給与水準が保険診療と比べて高い傾向にあり、緊急の呼び出しや日当直などもないため、ワークライフバランスを重視する医師の増加により転科の人気が出ている。

<この記事のまとめ>

  • 美容皮膚科よりも美容外科のほうが取り扱う治療範囲が幅広く、その分給与水準も高い。
  • 美容皮膚科、美容外科ともに保険診療の医師と比べると給与水準が高い。
  • 近年美容外科・美容皮膚科へ転科する医師は急激に増えており競争が数年前と比べて増してきている。

 

1.美容皮膚科と美容外科の仕事内容を比較すると?

同じ「美容系クリニック」でも、美容皮膚科と美容外科の診療内容は大きく異なります、数年前までは下記のような分類がされていました。
【美容皮膚科】
主にシミやシワ、たるみ、くすみ、ニキビなどの肌トラブルを医学的に治療する診療科です。一般的な皮膚科でもこれらの治療を行うことはあるものの、美容皮膚科は審美的な観点を重視している点で異なります。自費診療がメインとなることが多く、一般的な皮膚科では使われないタイプのレーザーやピーリングなど、高い効果が期待できる治療を手がけます。
【美容外科】
主に手術により「美」を導く診療科です。具体的には、二重形成手術、隆鼻手術、リフトアップ手術、輪郭形成手術などが挙げられます。同時に美容皮膚科が扱うような肌トラブルに対するレーザー治療などを行うクリニックも多く、「美」に関してより守備範囲が広い診療科だといえます。

しかし美容医療は自由診療でありどのような医師像が求められるかはお客様のニーズにより決まります。近年はより美しい仕上がりかつ低侵襲な美容医療へのニーズが高まっており下記のような医師像が求められていると考えられます。

【美容医療の総合診療医】
美容皮膚科の包括的な知識もあり。エイジングケアの過程で必要な外科的手技も身に着けており、注入系手技の技術レベルが非常に高く美のかかりつけ医になりうるような長期的な付き合いが可能な医師。
 

 

2.美容皮膚科と美容外科の給与水準を比較すると?

美容皮膚科と美容外科の医師の給与水準は、多くの要因に影響されます。これには地理的な位置、経験、専門知識、訓練レベル、診療所や病院の規模、患者の需要などが含まれます。一般的に言って、美容外科医は美容手術を行うために外科的なスキルを持つ医師であり、美容皮膚科医は皮膚関連の美容治療を提供する医師です。以下に、これらの2つの分野の給与水準の一般的な傾向を示しますが、これはあくまで一般的な情報であり、個々のケースには違いがあります。
 

  1. 美容皮膚科医の給与水準:

     平均給与は地域によって異なりますが、一般的には比較的一般的な皮膚関連の治療(ボトックス、フィラー注入、レーザー治療など)を提供する美容皮膚科医の給与は、他の一般的な診療科の医師と類似していることがあります。美容皮膚科医の経験と評判が高ければ高いほど、高い給与を期待できることがあります。大都市圏での仕事の場合、需要が高く、給与も高い傾向があります。
     
  2. 美容外科医の給与水準:

     美容外科医は外科的なスキルを必要とし、高度な専門知識を持っているため、通常、一般的な外科医よりも高い給与を期待できることがあります。美容外科医の給与は、手術の種類と複雑さによって異なります。例えば、豊胸手術や顔面リフト手術などの高度な手術は、高い報酬をもたらす可能性があります。美容外科医の評判と実績が高ければ高いほど、高い給与を期待できることがあります。

 結局のところ、医師の給与は個々の状況に大きく左右されます。経験、スキル、地理的な位置、診療所の規模、患者の需要などが重要な要因です。また、医師としての成功は給与だけでなく、個人の情熱、達成感、患者との関係にも影響を与えます。したがって、給与のみを考えるのではなく、自身の興味と専門知識に基づいてキャリアの選択を検討することが重要です。

 

3.美容皮膚科と美容外科の勤務環境を比較

 美容皮膚科と美容外科の勤務環境を比べると、手術のない美容皮膚科のほうが穏やかに働ける傾向にあると一般的に考えられていますがこれは勤務環境によって大きく異なります。具体的には来院数の多いクリニックであれば忙しいですし、来院数の少ないクリニックであれば穏やかな勤務環境になります。収入や症例数の経験値は当然来院の多いクリニックの方が比例して大きくなる傾向があります。注入や手術など患者様の外見に大きな変化をもたらす手技はどちらも仕上がりの期待値が大きくなるため医師はプレッシャーを感じる事になります。

4.美容皮膚科と美容外科、転職しやすいのはどっち?

 美容医療の需要が高まっている現在、都心部を中心に美容皮膚科や美容外科を標榜するクリニックは数多くあり、求人ニーズも高いといえます。どちらの分野も医師の経験と評判が良ければ、転職において有利な要素となります。転職を考える際には、自身のキャリア目標、専門知識、スキル、経験を考慮し、求人市場との調査を行い、適切な機会を見つけることが重要です。
 美容皮膚科と美容外科の転職市場を見ると、求人数の違いを考えずに比較すれば、特殊な手技や知識、経験を求められる度合いが低い美容皮膚科のほうが転職しやすいと考えられます。一方で、外科系のスキルや実績などアピールポイントを持っている医師は、美容外科の転職先を比較的容易に探すことが可能です。転職にあたっては情報のリサーチを欠かさず、自身の希望にマッチした職場を吟味してください。

 

5.美容皮膚科と美容外科、どちらに転職するか迷ったら

美容皮膚科と美容外科のどちらに転職するかを迷っている場合、以下の要因を考慮して検討することが役立つでしょう。
 

  1. 個人の興味と情熱: どちらの分野に本当に興味があり、情熱を持っているかを考えてください。自身が好きな分野で働くことは、仕事の満足度と成功に大きな影響を与えることがあります。
     

  2. 医学的なバックグラウンドとスキル: 自身の医学的なバックグラウンドやスキルを考慮しましょう。皮膚科や外科に関する専門知識や経験があるか、どちらの分野に適しているかを考えます。
     

  3. 勤務時間とライフスタイル: どちらの分野の勤務時間とライフスタイルが自身の希望や家庭生活に合致するかを考えてください。美容外科は手術が中心で、不規則な勤務時間が必要な場合がある一方、美容皮膚科は一般的な診療時間内で働くことが多いです。
     

  4. 需要と競争: 自身の地域や市場における美容皮膚科と美容外科の需要と競争を調査しましょう。どちらの分野において求人市場がより有利であるかを把握します。
     

  5. 将来の展望: 各分野の将来の展望やトレンドを考慮しましょう。新しい技術や治療法の導入、患者の需要の変化などがあるかもしれません。
     

  6. 専門資格とトレーニング: どちらの分野で転職する場合も、必要な専門資格やトレーニングを確認しましょう。必要な資格を取得するために必要な時間とリソースを考慮します。
     

最終的な決定は、自身の個人的な目標や状況によって異なります。医療分野は患者との関係が重要であり、自身が満足し、専門家としての成長ができる分野を選ぶことが大切です。また、専門医としてのキャリアを築くためには努力と時間が必要なことを覚えておいてください。

 

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